ルールの規則

2017-02-26   design  management 

おかしなタイトルだけど、社会や組織におけるルールを制定するためのルールに関する話。

他にも同じようなこと書いてるブログとか本とか掃いて捨てるほどあると思うが、どうしても書いておきたかったので書いておくことにする。というよりむしろこの件に関しては、あらゆるところで言及して、言い逃れや見ないふりができないようにするべきだろう。

まず始めに「ルールは最小限にとどめるべき」ということを大前提とする必要がある。ルールで縛るのは美しくないし、なによりも非効率極まりない。そのことは、わけのわからないルールで雁字搦めにされたいまの日本社会を見れば考えるまでもない。

加えてルールを作ると、必ずそこに管理屋が湧いてくる。ルールよりもむしろこっちのほうが厄介かもしれない。管理屋は百害あって一利なし、百害どころか千害、万害と言っても過言ではない。管理屋はルールを守ることこそが優秀な人間の証明であり、ルールを厳守する自分こそが優秀であると信じて疑わないので、喜々として無用なルール厳守を押し付けてくる。だれの周りにも必ずいるであろうあいつらのことだ。

もちろん実際のところ、管理屋は完膚なきまでに無能である。

管理屋の発生を抑えるには、可能な限りルール化より仕組み化する

  • ルール化は無粋
  • 仕組み化は美しい

山ほどルールを作って、一体誰がどうやってそれを運用するのか?ルールが守られなかったら?

仕組み化ならほっといても勝手に回る。と言うより、そういう風になるように仕組み化する。なにより仕組み化なら、管理屋の発生も抑止できる。ルールは管理屋にとっての巣であり、最高の餌であるということを肝に銘じるべき。

だからと言って、ルールをまったく作らないというのも現実的ではない。ルールを作るなら、

  • ルールを制定する目的を明確にして明記する
  • ルールが必要になった背景を併記する
  • ルールを廃止する条件を明記する

の 3つを絶対条件とする。

ルールはアップデートし続けなくてはならない、それができないなら廃止する。形骸化し、腐臭を放っているにも関わらず残り続けるルールは、社会が停滞する要因にしかならない。加えてそこに湧く管理屋という蛆が、さらに社会の腐敗と停滞を助長する。

ルールを制定する目的を明確にして明記する

ルール化するのはある目的を達成するためであるが、いつの間にかルールを守ることそれ自体が目的になっていることがある。目的達成の手助けにならないのなら、そのルールは即刻廃止する。

手段の目的化を避けるためにも、ルールを制定する目的を明確にする。

ルールが必要になった背景を併記する

時間が経つと技術の進歩等により、そもそも背景がまったく別物になっている可能性がある。

例えば「PC が重くならないように月イチでデフラグする」というルールがあったとする。HDD 時代であればそのルールによって「PC が重くならないようにする」という目的は達成できたであろう。だがいまは SSD 時代である、SSD にデフラグは不要だ。背景が変わるとはつまりそういうことだ。

背景が変わったなら、それによってルールが意味をなしているか再考する必要がある。

ルールを廃止する条件を明記する

ルールは可能な限りないほうがいいので、将来的に廃止する前提で作成する。そのための条件を明記しておくことは非常に有効だ。廃止条件が明確であることで、破棄が用意になる。

これによってルールが形骸化し、生きつづけることを回避できる。


まとめると以下のとおり。

  1. ルールは最小限におさえる
  2. ルール作りよりまず先に仕組み化できないか検討する
  3. ルールは管理屋を生むことを肝に銘じる
  4. どうしてもルールが必要になったら次の 3点を必ず付け加える
  5. ルールを制定する目的を明確にして明記する
  6. ルールが必要になった背景を併記する
  7. ルールが廃止可能となる条件を明記する