先日、麻生太郎財務相が、
天下りという表現はいかにも民間に行くのが天下っていると、見下げたような言い方は、私の感性に合いません。
といった発言をしてニュースになっていたのを目にした。
これにはおれも完全に同意である。このニュースを見たとき、高校の頃、古典の教師がこんなことを言っていたのを思い出した。
「天下り」という言葉は、神に対して用いられる神聖な言葉であり、役人風情に使っていい言葉ではない。
高校生のときのおれでも、「まったくそのとおりだ」と感じたのをよく覚えている。
この役人の「天下り」という名称の問題は他にもある。それは「名前が問題の本質を表していない」という点だ。「自分の社会的影響力を悪用し、社会から不当な利益を享受する」という問題の本質が、その名称からはまったく伝わってこないのだ。
以前から各所で主張していることだが、役人の「天下り」は、「寄生再就職」に言い換えるべきである。
- 「天下り」という神聖な言葉の使用を避ける
- その名称によって問題の本質を明らかにする
という点においては、「寄生再就職」の方が適当であろう。
この件に限らず、「問題の名称は、その問題の本質を明らかにするように命名する」ことが重要だ。
「Excel 方眼紙」なんて言葉があるが、個人的にその名称が嫌いなのは、問題の本質をまったく明らかにしていないからだ。問題の本質を明らかにするために命名された名前ではない、というのはもっともなのだが、あれはもっとバカ丸出しの名前にするべきだった。
「その名称によって問題の本質を明らかにし、さらにその名称自体が問題解決を加速する」という、命名 Hack を意識してみよう。