今回の趣旨
- タイトルのとおり
- メタ情報をクラウド上で管理する
- メタ情報に QRコードから簡単にアクセスできるようにする
はじめに
家電を使用するとき、使い方が微妙にわからないときがある。
- オーブンレンジで調理するとき何度/何分に設定するか
- 電気ポットをクエン酸洗浄するときの手順
- 消耗品を交換するときの交換方法
など、主に特殊な操作が必要になる場合だが、そういったときに取説を確認したくなる。このような場合に現状は、
- ネットで製品を検索
- 取説 PDF リンクを探す
- 取説で該当する操作を確認
という流れになる。操作方法以外にも、
- いつ買ったんだっけ?
- そろそろ買い替え時か?
- 保証期間内だっけ?
- 消耗品の型番はなんだっけ?
など該当物に関する諸情報を参照したいときが多々ある。
そこまで考えたところで、これってメタ情報だよなということに気がついた。メタ情報というのは、簡単に言うと MP3 ファイルのタグのことだ。曲名やアルバム名、アーティスト名などが保存されているあれのことだ。
そのメタ情報を家電などの現実物体にも付加してやればいいのだ。
ここまで読んだ時点で、勘のいい人は典型的な「車輪の再発明臭」を感じていると思うが、おれがほしかったのはまさにこれなので、早速実行に移した。
概要
今回の試みの大まかな概要は以下のとおり。
- Scrapbox にメタ情報管理専用の private project を作成する
- ひとつの物に、ひとつの記事を割り当てる
- 記事の URL をラベルプリンタで QRコードとしてプリントする
- 該当物のデザインを損なわない箇所に QRコードを貼り付ける
- メタ情報を参照したい場合は iPhone 等で QRコードを読み込む
最新の iOS は、普通にカメラを起動して、QRコードにピントを合わせるだけで読み込んでくれるのですばらしい。これで簡単にメタ情報にアクセスできるようになるはずだ。
ラベルプリンタ
今回の試みのために購入したラベルプリンタは、ブラザーの『ブラザー スマホ接続用ラベルライター P-TOUCH CUBE PT-P710BT』だ。汎用性も考慮して、もっと高性能なやつも検討したが、最終的にそれは不要と判断した。
今回の趣旨は、メタ情報をクラウドで管理することだ。下手に高性能なラベルプリンタを購入してしまうと、余計な情報までプリントしてしまう恐れがある。それでは本末転倒だし、なにより情報のアップデートの度にラベルの再プリントが必要になる。あくまで QRコードのみでシンプルに管理する、これが重要だ。そのため、ラベルプリンタの機能としては、QRコードをきれいにプリントできればそれでよい。
もちろん今回のラベルプリンタが低性能というわけではなく、余計なものを排除しつつ、必要十分を高度に満たしてくれている。
こういったスマホ連動機器は、OS のアップデートについて行けず、3年と経たずに使えなくなるといったことが多々ある。だが、このラベルプリンタは PC でも使えるので、そうなったら PC で使えばいい。PC でも使えるというのは重要な要素だ。
ちなみに、iOS アプリを使ってみての感想は、「QRコードを出力する用途では使い物にならない」だ。それ以前に、アプリ自体が典型的なダメアプリ感が漂っている。まず QRコードを出力するときに、任意の値を指定することができない。Google で検索して出てきたサイトの URL のみ指定可能になっている。つまり Google の検索結果にない URL は指定できない。これには目が点になったが、多数派である一般ユーザには不要と判断されたのだろう。ついでに UA だかリファラだか忘れたが、そこら辺のエラーでアプリからは Scrapbox にログインすらできない。
とりあえず、QRコード以外のラベル出力にはアプリで十分だと思うが、QRコード出力には PC 必須と考えておいたほうがいい。今回は Windows でラベルを編集した。
QRコードラベル
貼り付けに関して
- QRコードが対象のデザインを害さないようにする
- ふたの裏
- 本体の底
- 死角の位置
- etc.
- 読み取り易い場所に貼る
- 冷蔵庫の裏
- どうやって読み取るの・・・
- 見えない位置に貼ればいいというものではない
- ちなみにおれは冷蔵庫のドアの裏に貼った
- 別に本体に貼る必要はない
- たとえばテレビだったらリモコンに貼ってもいい
- LED 電球の場合は壁のスイッチに貼ってもいい
- 冷蔵庫の裏
そもそも QRコードいる?
- そもそも QRコードを貼って読み取るというステップがいらないのでは?
- そう思った人、するどい・・・
- 普通にメタ情報一覧ページで検索したらいい
- それもあり
- ただ、おれはつまらないからそんなことしたくない
- 面白いから QRコードでやる
- 数が増えると QRコード貼り付ける方式のほうがいいはず
- 参照が圧倒的にラクになるから
- ラクであることは本当に重要
- ラクであると言うことは、ストレスがないということ
- ストレスがあるものは続かない
メタ情報
- Scrapbox で管理
- Scrapbox はおそらく最もよくできた Wiki サービス
- 非公開のページも作れるからおすすめ
- Scrapbox 上に メタ情報専用の project を private で作成する
- 各記事のページ一番上に記載した内容がページタイトルおよび URL になる
- なのでここを変更すると URL も変わるので注意!
- 各記事のページ一番上に記載した内容がページタイトルおよび URL になる
- 1物理媒体に対して 1記事を割り当てる
- メタ情報のテンプレ記事をひとつ用意しておくと便利
- ピン留め機能があるのでピン留めしておこう
- 新規メタ情報を作成する場合
- テンプレ記事を開く
- 自分のアイコンの下にあるメニューから「Duplicate this page」を選択
- テンプレ記事を元にした新規記事が作成される
- 新規作成されたページを適宜編集する
メタ情報テンプレの例
個人的に作成したテンプレの内容は以下のとおり。
- 製品名称 (一番上に記載する、ページタイトルおよび URL になる)
- 製品写真: (タイトルの下に貼り付け、自分で撮影したやつがベター)
- 購入情報
- 購入年月日: (買い換えの目安になる)
- 購入場所:
- 購入金額:
- 購入明細URL:
- 本体情報
- シリアルNo.: (登録などに使うやつ。シリアルNo.のみを evernote などで管理してそのURLを書くとさらに安全)
- 製品名・モデル名:
- サイズ: 縦×横×奥行き
- 重量:
- 製品情報サイトURL:
- 取説PDF URL:
- ドライバダウンロードURL:
- 関連ソフトダウンロードURL:
- 消耗品情報
- 消耗品情報URL:
- 消耗品販売ページURL:
- メンテナンス履歴:
- 最終メンテナンス日時: (適宜更新すること)
- 消耗品ストック残数: (適宜更新すること)
- メモ
- その他、雑多なメモをここに記載
最後に「ハッシュタグ」を付けておく。Scrapbox は #ハッシュタグ名
で任意のハッシュタグを付けられる。いくつか候補を用意しておいて、適宜付けておく。
ハッシュタグ候補
- キッチン
- リビング
- バス
- トイレ
- 洗濯
- 食品
- 家電
- 家具
- ガジェット
これくらいかな。あまり細かすぎると収集付かなくなるし、そもそも大まかに分類するために付けるのがハッシュタグだと思うので、多すぎず少なすぎずがちょうどいい。
余談
Wi-Fi 設定
本当に余談だが、めんどうな Wi-Fi 接続も QRコードを読み込むだけで一発で設定できる。iPhone で試したが、ちゃんと読み込んでくれた。
WIFI:S:MyWi-Fi;T:WPA;P:パスフレーズ;;
みたいな文字列を QRコードで出力するだけ。だれでも読めば接続できてしまうので、QRコードの管理は厳重にすること。おれはだれも気づかないようなところに貼り付けてある。
取説PDF リンク
取説PDFへのリンクを QRコードで家電に貼り付けるアイデアって、なんでだれも思いつかないんだろって思ったけど、とっくにやられてたみたいね・・・。
今回、PDFへのリンクを検索してて思ったけど、なんでどのメーカーも製品情報ページに取説PDFへのリンクを張らないんだろうか。ちなみにダイソンはちゃんと製品情報ページから取説PDF に飛べるようになっていた。日本企業はほんとネットまわりがだめだな。
感想
あらゆるメタ情報が一元管理されるサービスがあればおもしろいと思いました。