よりよい人生を歩むためには、志を持つことは大切なことだ。加えて、それと同じくらい大切なのが、自分の Wiki を持つことだ。
要するに、
- 自分が情報発信する Wiki を開設して
- 積極的に情報発信しよう
- そしたら社会はもっとよくなるし人生もよくなる
という話だ。
ロストテクノロジー化
おれがもっとも嫌いなもののひとつに「ロストテクノロジー」というものがある。ロストテクノロジーと言えば、たとえば古代ローマの時代のコンクリートが挙げられる。そういった大げさな技術に限らず、自分が持っているアイデアや、苦労して身につけた技術でもそうだ。ちょっとそこから離れると、あっという間に忘却の彼方、ロストテクノロジー化する。
もしこの「ロストテクノロジー化」を社会全体で回避できるとしたら。各個人が「各々が持つ有益な情報」がロストテクノロジー化することを積極的に回避したら。もしそれが実現したら、それは社会の発展に大いに貢献するだろう。個人が持つ優れたアイデアが、社会を劇的に豊かにすることは十分にありえる。また、インターネットの登場はそれを可能にしてくれた。これをやらない手はない。
情報発信すべき理由
おれも長いこと技術系の Web サイトとこのブログで情報を発信し続けてきているが、これはもっと多くの人がやるべきことだと考えている。これが続けられているモチベーションとなっているのは、大きく分けて次の 2つだ。
- 自分の知識や経験を発信することで社会に貢献する
- 自分の知識や経験のロストテクノロジー化を回避する
最初に自分の Web サイトを持とうと思った理由が 1 だ。自分自身、インターネット上の情報にかなり助けられてきたので、自分も価値のある情報を発信することで恩返しがしたかった。
2 は自分であとから参照するためという目的もあるが、他人の記憶の中に自分の情報を分散バックアップするためでもある。
Wiki を使おう
すべての人が情報を発信するべきとは言え、おれみたいに自前でサーバとドメインを用意して云々、となるとあまりにもハードルが高くなりすぎる。そこで Wiki である。Wiki であればだれでも簡単に開設できる上に、記事を作成する精神的・労力的・技術的コストも低い。
自分の Wiki と言っても、Wikipedia に自分の項目を持つことではない。それはそれですばらしいのだが、ここでの Wiki は自分が持つ情報を発信するための普通の Wiki を意味する。(余談だが、Wikipedia を Wiki と略する人々、特に非 IT 系の人に多いが、心の底からやめてほしい。)
別にいまの時代、Wiki なんかじゃなくても Twitter とかで十分なのでは?と思う人もいるだろうが、Wiki を使うべきである。
ソーシャルメディアより Wiki
Twitter やその他のソーシャルメディアは、個人情報と発信する情報があまりにも密結合すぎる。プライバシー的な理由で鍵アカにしたり、アカウントそのものを削除した時点で、発信した情報もすべて失われてしまう。ソーシャルメディアでは、いとも簡単にロストテクノロジー化が発生してしまう。価値ある情報と発信者の個人情報は、可能な限り疎結合であるべきだ。
(See also 一般情報と個人情報の分離)
その点、Wiki であれば、個人情報を可能な限り発信せず、価値ある情報のみをアウトプットし続けることが可能だ。もちろん匿名 Twitter アカウントでもそれは可能であるが、そもそも Twitter はそういった使い方をするものではない。
おすすめは Scrapbox だ。投稿・編集のコストが非常に低いので、今回のような目的に使うにはぴったりだ。
Scrapbox - Realtime Knowledge Base - Capture ideas in context
Capture and link ideas instantly to simplify your projects and team collaboration. Notes, design, and code stay in context from one page to 10,000+.
Wiki の選定基準
別に他のサービスでもいいけど、その場合は以下を重視しよう。
- それなりに長く提供されるであろうサービスを使う
- サービスが終了してしまったら、それこそロストテクノロジー化だ
- 投稿・編集の労力的コストが低い
- ブログは投稿するの意外にめんどくさい
- だからみんなブログをやめて Twitter に流れた
- ブログは投稿するの意外にめんどくさい
- 個人情報がむやみに流れない
- 個人情報と密結合のソーシャルメディアは不向き
- おれもこのブログは個人情報を流さないようにしている
- おれのことはどうでもいい
- そもそも名乗るほどの者ではない
せっかくここまで読んだんだから、いますぐなにかしらの Wiki サービスのアカウントを開設しよう。いますぐだ。
ちなみにこの記事は、書いたのを忘れてロストテクノロジー化しかけていたのをサルベージしたものだ。