マンパワー・フールプルーフ

2018-12-31   society  management 

「フールプルーフ」という概念がある。

フールプルーフとは、機器の設計などについての考え方の一つで、利用者が操作や取り扱い方を誤っても危険が生じない、あるいは、そもそも誤った操作や危険な使い方ができないような構造や仕掛けを設計段階で組み込むこと。また、そのような仕組みや構造。
── http://e-words.jp/w/フールプルーフ.html

要するに「仕組み的に失敗が起きないようにする」というものである。「USB 端子はコンセントに挿さらない」と言えばわかりやすいだろうか。

しかし、日本社会でのフールプルーフは、次のようなものだ。

  • 注意する
  • 気をつける

日本社会は本当に「注意する」や「気をつける」が大好きだ。そもそもそれらは「マンパワー」そのものなので、可能な限り排除されるべきである。ところがこのマンパワー立国 日本では、マンパワー信仰が故に、この「注意する」や「気をつける」を過剰に持ち出そうとする。

しかもとんでもないことに、「マンパワー・フールプルーフ」で問題が発生した場合、そのマンパワーの本人が「無能である」と責め立てられる。これは本当にとんでもない話だ。なぜなら、真の無能は「マンパワー・フールプルーフ」を持ち込んだ側と、それを容認する側であるからだ。

「マンパワー・フールプルーフ」でミスを犯した人間は、ただの被害者である。これは完全に「押し付けリスク」そのものだ。「リスクを押し付ける側」を容認してはならない。

おれは、

  1. 何か問題が発生して
  2. その解決策として「マンパワー・フールプルーフ」が持ち出されたら
  3. その時点でストップをかける

ようにしている。所詮マンパワーでは、なんの根本解決にもならないからだ。

問題には「マンパワー・フールプルーフ」ではなく、「仕組み的フールプルーフ」で対処しなければならない。