豊かさファースト

2020-11-23   life 

はじめに

今年になってから強く意識し始めたことだが、「常に豊かな方を選択する」ことを徹底するべきだ

普段、日本人はあまり意識していない、というよりは自覚していないだろうが、今の日本の貧しさは尋常ならざるものがある。アルミサッシのザル断熱で、隣近所に(から)音がだだ漏れの、暖房設備もないプレハブみたいな家に住み、カラーボックスかそれと大差ないような家具を集めて、100均のゴミに埋もれて生活している。ファストファッションと呼ばれるペラッペラの服を着て、プロセスチーズのようなゴミを混ぜた食品に疑問を持つこともない。特に住宅に関しては、外国人が驚愕するレベルの貧しさである。

もちろん原因は全て、日本人自身にある。おれから見てその原因は、大きく分けて 3つある。

  1. 常に貧しい方を選択する
  2. 本物を知らない
  3. 豊かさを知らない

この 3つだ。

貧しさの原因

1. 常に貧しい方を選択する

「清貧」という馬鹿げた言葉があるが、豊かさを求めることを悪とすら考える人が多いように見受けられる。「物質的な豊かさは、精神的な豊かさと矛盾する。すなわち、物質的に貧しくならなければ、精神的に豊かになれない」と、勘違いしているのだろう。

または、現状の貧しい状態の自分を肯定するために、自分自身を納得させるための言い訳として、貧しさを選択(肯定) しているようにも見える。むしろこちらの理由の方が多数派かもしれない。日本の貧しい点 (特に住宅に関して) を指摘すると、必死に反論して現状を肯定しようと躍起になる人が必ず出てくるが、これも「現状の貧しい状態に置かれている日本人 (ひいては自分)」を肯定したいがための行動だろう。

当然、現状の貧しさを肯定したところで、貧しさは消せないし、より大きな貧しさを呼び寄せるだけである。

2. 本物を知らない

去年、新しめの物件に引っ越したが、部屋は酷い有様である。前の住人が汚したとかそういう話ではない。まともな建材・建具が室内に全く見当たらないのだ。息をするようにアルミサッシ、木のようなプリントが施されたわけのわからない素材のフローリング、カラーボックスみたいな棚、どう考えても IKEA で買った方がマシなキッチンや洗面台。住人はこのゴミに 30年ローンである。

「IH の普及で、最近の子供は火を見たことがない」という話を聞いたことがあるが、これら陳腐な建材・建具の異常な普及率のせいで、日本人は本物を見たことがない。いやむしろ、それらの方を本物だと思い込んでいるのだ。

日本の住宅が資産にならない原因のひとつがこの偽物志向だ。カラーボックスが 10年後にどれくらいの価値になっているかを考えれば、何が問題なのかは言うまでもないだろう。

3. 豊かさを知らない

日本人はそもそも「豊かさ」がなんなのかを知らないのではないだろうか。

多くの日本人は「アルミサッシで無暖房の極寒住宅」を普通だと思っているし、100均で買ったようなゴミの溢れる部屋で生活することを豊かだと思い込んでいる節がある。よく言われる「貧乏人の家には物が多い」というのも、貧乏人は「豊かさ」を知らないためだ。

よくよく考えてみると、日本人は有史以来、まともな住宅に住んだことが一度もない。こんな有様だから、豊かさを知らず、結果貧しさを追い求め続けているのは当然の結果かもしれない。

じゃあ「豊かさ」とはなんなのかと問われれば、これは人によって違うと言われるだろうが、おれとしては「ゴミ (のような物やサービス) に依存して生きるのをやめろ」と言いたい。

まともな物やサービスだけを利用し、まともに生活する」、これがおれにとっての豊かさだ。

豊かさ第一主義

だからこその「豊かさ第一主義」「豊かさファースト」である。ちょっと前に 100均に行くのを完全にやめたが、理由はこの「豊かさファースト」だ。 豊かさを求めるのであれば、常に豊かな方を選択し続けなければならない

残念なことに、「貧しい方を選択」させようとする意見を大々的に発表する文化人()的な人がたまに出てくるが、おれはこういう人たちを社会の敵とみなしている。社会は常に「豊かな方を選択するべき」だし、それと逆行する勢力は完全に敵である。厄介なことに、こういった社会の敵は、世間的には知識人とされていて、彼らの意見を鵜呑みにしてしまう人も多い (このブログを読んでいるような人は絶対に騙されないだろうが)。彼らの意見は検討する価値すらないが、マスコミはこぞって彼らの意見を世に撒き散らす。

いかなる場合も「貧しい方を選択する」ことはあってはならないし、いかなる場合も常に「豊かな方を選択」しなければならない。

「豊かな方を選択する」とは、もちろん「浪費しろ、散財しろ」という意味ではない。常に「少しでも豊かな方を選択する」「少しでも豊かな方を正解とする」という意味である。例えば、学校の教室のエアコンを設置する・しない問題。あれは「豊かさファースト」で考えれば、答えはすぐに出る。

常に豊かな方を選択し続ければ、積み上がった豊かさがより大きな豊かさを呼ぶはずだ。

本物を知る

豊かな方を選択しようにも、本物を知らなければ貧しい偽物を選択し続けることになりかねない。残念なことに、現状の日本はまさにそれだ。アルミサッシが本物の窓だと思っているし、カラーボックスに使われている MDF 板が木だと思っているし、プロセスチーズがチーズだと思っている。

おれは日本の住宅に毒された感性を解毒するために、YouTube で海外の豪邸動画を観たりしている (日本は高級マンションでもアルミサッシ、わけのわからないフローリングが当たり前なので、日本の動画はおすすめできない)。

実際に無垢材の家具をひとつ買ってみるのもいい。うちはテーブルは無垢材のものを使っている。

今の日本がそうであるように、「偽物」は「貧しさ」を呼ぶし、その「呼び寄せた貧しさ」は更なる「貧しさ」を呼ぶ。「貧しさの負のスパイラル」を断ち切るには、まず「本物を知る」ことから始めなければならない。


迷ったら常に「豊かな方」を選択すること。豊かな人生 (社会) を目指すには、たったこれだけでいい。